機能性腹痛(FAP)の子どもにおけるL. reuteri
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機能性腹痛の子どもを対象に、プロバイオティクスであるL. reuteri の摂取が機能性腹痛に対して影響を及ぼすか前向き無作為化二重盲検試験を実施
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痛みの頻度、激しさを記録した結果、L. reuteri 群において、8週間で痛みの激しさが有意に減少
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L. reuteri 摂取により激しい腹痛の知覚が減少し、その効果はプロバイオティクスを摂取していない追跡調査期間も持続
プロバイオティクスであるL. reuteri の摂取が機能性腹痛(FAP)に影響を及ぼすか前向き無作為化二重盲検試験を行なった。ローマⅢ基準*と診断されたFAPの6-16歳の子ども60名が試験に参加したが、最終的に56名が試験を遂行した。
子どもは無作為にL. reuteri DSM 17938 (2×108CFU/日:オイル懸濁)群と同形状のプラセボ群に分けられ、4週間にわたって摂取を続け、その後摂取なしの追跡調査期間を設けた。被験者自身により痛みの頻度、激しさを記録してもらった。
L. reuteri 群において、8週間で痛みの激しさが有意に減少したが(P<0.001)、プラセボ群においては減少しなかった(P>0.05)。また、4週目、8週目においてプラセボ群と比較しても有意に低かった(P<0.05)。痛みの頻度は8週目において両群とも有意に減少した(P<0.05)。
結論
L. reuteri 摂取により激しい腹痛の知覚が減少し、その効果はプロバイオティクスを摂取していない追跡調査期間も持続した。
*ローマIII基準:消化器専門医の国際チームが定めた基準。過去3カ月間、1カ月 につき3日以上にわたって腹痛や腹部不快感がある症状。
■Reference