ヒトの腸管におけるL. reuteri ATCC 55730によるコロニー形成と免疫修飾

  • L. reuteri ATCC 55730のコロニー形成を検出するためにオープン試験を行い、検出法として遺伝子に基づくFISH法を採用し、免疫システムに対する効果も調査

  • 生体組織検査により10名の被験者から胃粘膜および十二指腸の組織を採取、9人の被験者から回腸の末端の組織を採取

  • L. reuteri を含む栄養補助食品を摂取することにより、健康なヒトの胃、十二指腸、回腸にコロニー形成を誘導


 

L. reuteri ATCC 55730のコロニー形成を検出するためにオープン試験を行なった。検出法として遺伝子に基づくFISH法を採用し、免疫システムに対する効果も調査した。10名の健康な被験者および9名の回腸造瘻を受けた被験者にL. reuteri の錠剤(4 x 108 CFU/日)を28日間投与した。生体組織検査により10名の被験者から胃粘膜および十二指腸の組織を採取、9人の被験者から回腸の末端の組織を採取した。

生体組織検査はL. reuteri の摂取を開始する前と摂取を開始してから28日目に行なわれた。試験期間終了時には10名の健康な被験者全員の胃および十二指腸においてコロニー形成が確認された。回腸造瘻を受けた9人の被験者のうち6名から生体組織を採集し、その6名全員にコロニー形成を確認することができた。

便の検査からもL. reuteri を最後に摂取した日から2~4週間後にコロニー形成が証明された。腸粘膜における免疫システムに対する効果が十二指腸のBリンパ球(CD20-陽性細胞)および回腸のTリンパ球(CD4-陽性細胞)の数が有意に増加したことで確認することができた。

 

結論

L. reuteri を含む栄養補助食品を摂取することにより、健康なヒトの胃、十二指腸、回腸にコロニー形成を誘導しており、これは胃腸粘膜における免疫反応の変化に関連している。

 

■Reference

Colonization and immunomodulation by L. reuteri ATCC 55730 in the human gastrointestinal tract. Valeur N, Engel P, Carbajal N, Connolly E, Ladefoged K. (2004) Appl Environ Microbiol 70:1176-1181.

 

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