乳酸菌L. reuteri によるヒトの胃腸管におけるコロニー形成

  • L. reuteri ATCC 55730の結腸におけるコロニー形成を確認するために、大腸内視鏡検査を受けている成人の患者を対象に客観的なオープン試験を実施

  • L. reuteri 入りのヨーグルトまたはフルーツジュースを12日間毎日摂取し、糞便サンプル中の菌数を測定することにより被験者の80%にコロニー形成が起こることが明らかになった

  • 被験者の1人において投与されたL. reuteri 菌株が結腸に存在することが生検を培養することで確認


 

L. reuteri ATCC 55730 の結腸におけるコロニー形成を確認するために、大腸内視鏡検査を受けている成人の患者10名を対象に客観的なオープン試験を行なった。大腸内視鏡検査前の12日間に渡って109CFU/日のL. reuteri を含むヨーグルト(患者5名)とプロバイオティックフルーツジュース(患者5名)を摂取してもらった。

これらのプロバイオティックスを摂取する前後12日目に糞便サンプルの分析を行った。12日目には上行・横行・下行結腸の3カ所において生体組織検査を行なった。L. reuteri の同定には生化学的特性と遺伝子に基づいた方法(RiboPrint system)を採用した。試験開始時においては被験者にL. reuteri のコロニー形成は認められなかった。

しかし、12日目においてプロバイオティックヨーグルト群で5名中3名、プロバイオティックジュース群では5名全員の便から生きたL. reuteri が検出された。結腸の生体組織検査において1人の被験者から株レベルでのL. reuteri が確認された。

 

結論

L. reuteri 入りのヨーグルトまたはフルーツジュースを12日間毎日摂取し、糞便サンプル中の菌数を測定することにより被験者の80%にコロニー形成が起こることが明らかになった。また、被験者の1人において投与されたL. reuteri 菌株が結腸に存在することが生検を培養することで確認された。

 

■Reference

Björkman P. (1999) Colonization of the human gastrointestinal tract by the lactic acid bacteria L. reuteri. M.Sc. thesis, Dept. of Food Technology, University of Helsinki, Finland. (Abstract in English, the thesis is in Finnish.)

 

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