3種類の治療に異なったプロバイオティクスを加えてのヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療
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ヘリコバクター・ピロリ菌感染による継続的な消化不良症状を持つ患者を対象に、L. reuteri ATCC 55730 、もしくは高用量の複合菌株を加え、治療的役割を評価する目的で前向きオープンパイロット試験を実施
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14日間の治療に複合菌株を加えた群が最も高い除菌率を示したが、除菌率に関して、コントロール群、L. reuteri 群、複合菌株は統計的な有意差はなかった
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副作用に関して、L. reuteri 群が最も低かったが、コントロール群、複合菌株、複合菌株(14日間)と、3群間での統計的な有意差はなかった
ヘリコバクター・ピロリ菌感染による継続的な消化不良症状を持つ65名の患者を対象に、標準の3種類治療にL. reuteri ATCC 55730 (1x108CFUを1日2回)、もしくは高用量の複合菌株(2x1010CFUを1日2回)を加え、それらの治療的役割を評価する目的で前向きオープンパイロット試験を行った。
患者は、標準の3種治療7日間、標準の3種治療+L. reuteri 7日間、標準の3種治療+複合菌株7日間もしくは標準の3種治療+複合菌株14日間投薬した。いずれの治療でも80%以上の除菌率を達成できなかった。14日間の治療に複合菌株を加えた群が最も高い除菌率(71%)を示したが、7日間-コントロール群(62%)、7日間-L. reuteri (53%)、7日間-複合菌株(53%)と除菌率に関して全群間での統計的な有意差はなかった。
副作用に関しては7日間-L. reuteri 群が最も低かったが(6%)、7日間-コントロール群(27%)、7日間-複合菌株(20%)、14日間-複合菌株(33%)と、残りの3群間での統計的な有意差はなかった。
結論
7-14日間の3種類の治療においてプロバイオティクスを加えた場合、加えない場合も十分なヘリコバクター・ピロリ菌に対する除菌率を達成することができなかった。
■Reference