第三回広島市歯科医師会学術講演会「口腔内科~口内菌管理から全身管理へ~」

2011年2月17日、広島市歯科医師会主催の学術講演会で、同学術部理事 本山先生をはじめとする学術部の皆様のご協力のもと、BioGaiaJapanスタッフにより、「口腔内科~口内菌管理から全身管理へ~」と題する学術講演が行われた。現在、注目されているバクテリアセラピー(細菌療法)を広島で活性化させ、歯科から始まる日本の新たな予防医学の提案。

まず、広島市歯科医師会現会長である 森本克廣 先生がご挨拶。最初の講演は、広島大学歯学部 健康増進歯学 教授 西村 英紀 先生(感染対策協議会歯科医業務会委員会会長)による「大学病院における感染予防と最近の話題」。歯科医師に特に多く生じてしまう、”針刺し事故”を中心に、感染症の予防対策についてお話しされた。

学術講演では、スウェーデン本社(BioGaiaAB)のCEOであるピーター・ロスチャイルドによるBioGaiaのこれまでの取り組みとL. reuteri の概要についてのインタビュー並びに、アンダース・ザックリソン博士による最新のL. reuteri についての研究動向紹介がビデオにて行われた。

ビデオの中でピーター・ロスチャイルドは、

L. reuteri の最大の特徴は本来人体に生息している菌であるということと、菌を取り戻すという発想と5000人以上もの人を対象とした科学的裏付けのデータを保有していることである」

と、語った。また、

「BioGaiaの製品はジョギングをしたり自転車に乗ったりするような健康なライフスタイルの一部であり、病気になりにくい健康な人生を送るための手助けをすることが、最大の目的である」

「普通の人はなかなかライフスタイルを変えることができなけれども、ライフスタイルをより健康なものへ変えることができることをみなさんに伝えたい、それがバイオガイアの使命です」と語った。

アンダース・ザックリソンは

「バイオガイアがL. reuteri のみに研究活動をしぼってきたのは、L. reuteri が人間にどのような役割をもっているのかをすべて医学的に文書化することを目的としている」

「15年前にはプロバイオティクスのことを知らないひとが多かったけれども、現在は単なる菌の話ではなく具体的な菌株を指定した研究をしなければならない程、研究がすすんでいる」

「特に近年口腔内科という分野に注目し、口の中の菌のバランスが体全体の健康のバランスの見張り役である」

と、ビデオの中で語った。

「BioGaiaのサプリメントは、ノーベル医学賞審査本部として名を知られる、カロリンスカ医科大学(スウェーデン)が採用したただ一つのメディカルサプリメントである。カロリンスカ医科大学では全職員・小児科全患者にBioGaiaの製品を使用している。」とバイオガイアの品質について紹介。

また、「BioGaiaの創立地であるスウェーデンでは歯科が重要な地位にあり、予防医学の先進国である。感染性疾患にかかった患者はまず歯科医による口内菌の分析を受け、医科の治療へと進む。歯科口腔内科を発足し診療の入り口として設け、その後医科の診療へという流れが今後必要ではないだろうか。」と提言された。さらに、ロイテリ菌の歯科分野への応用ができるかもしれないその可能性に最初の注目したのは広島の歯科医師の先生との話がきっかけだったという、ロイテリ菌の口腔内科分野への取り込みのエピソードも紹介された。

それに引き続き、日本法人副社長 淀江 晃太郎は、ミュータンス菌抑制炎症の軽減や慢性歯周病の治癒効果をはじめとするL. reuteri に関する臨床研究の一部を紹介しました。特に口腔内のコロニー形成は、アトピー性皮膚炎や喘息の予防や免疫力アップにつながることを改めて詳しく紹介。

「今後、【歯科口腔内科】という新たな分野を立ち上げ、特に感染性疾患において歯科を診療の入り口にし、バクテリアセラピーでもっと人々が健康になれることを望んでいます」と講演の最後に野村慶太郎が語った。

会場には100人以上もの方が参加され、講演終了後も「歯科というのはこれまで外科的な治療に視点が中心であったが、バクテリアセラピーを導入し、内科的な分野でも貢献できることがたくさんある」「バクテリアセラピーは歯科医の新しい要素として、我々の限界を変えるものである」などといった、活発な議論が行われた。

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