アトピー性皮膚炎と牛乳不耐性の子どもの患者におけるL. reuteri の効果を調査するための予備試験
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牛乳の摂取により軽度のアトピー性皮膚炎を発症した子どもを対象に前向き公開試験を実施
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一度牛乳を摂らない生活にし、乳タンパクに対する特異性IgEとSPTによりウシの乳タンパクに対するアレルギーが排除されていることを確認した後、L. reuteri ATCC 55730 (1日2錠)と牛乳を再び摂取
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L. reuteri と牛乳を同時摂取することにより、かつて牛乳摂取により湿疹が悪化した経験のある子どものアトピー性皮膚炎とかゆみの悪化を予防できることが示された
牛乳の摂取により軽度のアトピー性皮膚炎を発症した子どもを対象に前向き公開試験を行なった。対象は牛乳を摂らない食生活にしてからアトピー性皮膚炎が改善した3-5歳の15名の子どもで、乳タンパクに対する特異性IgEとSPTによりウシの乳タンパクに対するアレルギーが排除されていることを確認した。子どもたちに再び牛乳を飲んでもらうのと同時に8名にはL. reuteri ATCC 55730 (1日2錠、2x108CFU)を、7名にはプラセボをそれぞれ3カ月に渡って投与した。牛乳を飲み始めて最初の10日間は毎日両群に抗ヒスタミン薬が処方し、必要に応じて局所用ステロイドと保湿剤が使用された。
最初の2週間で湿疹とかゆみの改善が全員に見られた。
しかし、それ以降の試験期間においてL. reuteri 菌群は牛乳を飲み続けたにもかかわらず湿疹やかゆみが悪化した子どもはいなかった。これに対しプラセボ群では全員に湿疹の悪化が見られ、抗ヒスタミン薬と局所用ステロイドの使用を継続しなければならなかった。
結論
3ヶ月間L. reuteri と牛乳を同時摂取することにより、かつて牛乳摂取により湿疹が悪化した経験のある子どものアトピー性皮膚炎とかゆみの悪化を予防できることが示された。
■Reference