慢性便秘を伴う幼児におけるL. reuteri

  • L. reuteri 投与群の排便頻度は有意に増加

  • L. reuteri 投与群で、便の硬さについて試験開始時に硬いと報告した22名から投与後の4-8週目で4名まで減少

  • 慢性便秘を伴う幼児に対して毎日の摂取は、排便回数を有意に増加される効果がある


 

慢性便秘を伴う乳児を対象にL. reuteri DSM 17938を投与し、その効果を調査するため無作為化二重盲検プラセボ比較試験を行った。対象となる幼児は、母乳離れした6-12ヶ月の44名であった。

L. reuteri はオイルドロップ5滴(1 x 108 CFU)を1日1回食後30分に8週間に渡って与えられた。

その結果、L. reuteri 投与群における排便(BM)頻度は試験開始時に2.82回であったのが、8週目には4.77回に増加した(P=0.0001)。またL. reuteri 投与群の排便頻度は、プラセボ群に対して2週間目(p=0.042)、4週間目(p=0.008)、8週間目(p=0.027)と有意に増加した。

L. reuteri 投与群で便の硬さについて試験開始時に硬いと報告したのは22名中19名(86.4%)であったのが、投与2週目で11名(50%)となり、4-8週目で4名(18.2%)にまで減少した。しかしながら、便の硬さについては両群間で試験期間中どの時点においても有意な差は認められなかった。

 

結論

慢性便秘を伴う幼児に対して毎日のL. reuteri 摂取は、排便回数を有意に増加される効果があった。幼児の便秘治療においてプロバイオティクスの使用はその安全性からとても魅力的な選択肢の一つになるだろう。

 

■Reference

Martinelli M, Coccorullo P, Miele E, Russo D, Greco L, Staiano A. (2009) L. reuteri in infants with functional chronic constipation: a double-blinded, randomized, placebo-controlled study. Presented at the conference Gastro 2009 UEGW/WCOG, 21-25 Nov. 2009, London, UK. Abstract P1129

Coccorullo P, Strisciuglio C, Martinelli M, Miele E, Greco L, Staiano A. (2010) J Pediatrics 157:598-602.

 

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