L. reuteri Protectis による乳幼児のアトピー性皮膚炎の緩和
-
ルンド大学病院(アレルギー科)に入院した50人の乳幼児を対象に、L. reuteri ATCC 55730 を使用した二重盲検プラセボ比較試験を実施
-
IgE値はL. reuteri Protectis グループにおいては安定、プラセボグループにおいては有意に増加
-
湿疹の面積はプラセボ(B群)に比較してL. reuteri (A群)は有意に減少
ルンド大学病院(アレルギー科)に入院した50人の乳幼児を対象にした臨床試験
標準的治療を受けている重度のアトピー性皮膚炎の幼児を対象にL. reuteri ATCC 55730 を使用した二重盲検プラセボ比較試験を行った。
- 3ヶ月-4歳の50名の乳幼児を対象に無作為に25名ずつの2群に分けた。
- A群はオイルに懸濁させたL. reuteri 1×108 CFU/日を投与した。
- B群には同形状のプラセボを12ヶ月間投与した。
- SPTによる数種類の食物アレルゲン反応と総血中IgEは試験開始時と12ヶ月目に検査した。湿疹の程度はSCORADにより評価した。
- プラセボグループにおいては皮膚表面の湿疹は変化なし。
- L. reuteri Protectis グループにおいては皮膚表面の湿疹は57% 減少。
- 両グループ間の有意差は (p<0.05)
- SCORAD A :湿疹の面積(%)
- SCORAD B :湿疹の強さ(紅斑、擦り傷、皮膚の乾燥など)
- SCORAD C :自覚症状(かゆみによる睡眠障害など)
※SCORAD(SCORing Atopic Dematitis) IgE値はL. reuteri Protectis グループにおいては安定、プラセボグループにおいては有意に増加した。
両グループにおいてSCORAD B は差異は認められなかった。湿疹の面積はプラセボ(B群)に比較してL. reuteri (A群)は有意に減少した(p=0.0024)。痒み、睡眠障害に関してもプラセボ(B群)に比較してL. reuteri (A群)は有意に減少した(p=0,024)。ピーナツに対するSPTにおいてもL. reuteri (A群)が有意に減少した(p=0.023)。12 ヶ月の試験期間中プラセボ(B群)における総IgE量は有意に増加したが(p=0.022)、L. reuteri (A群)において、顕著ではなかった(p=0.1333)。
結論
この結果はL. reuteri は免疫システムに影響を与えて子どものアレルギー症状の軽減に寄与する可能性が高い事を示唆している。
■Reference
■関連ビデオ