L. reuteri 含有タブレットによるヘリコバクター・ピロリ菌抑制効果-無作為化二重盲検プラセボ比較交差試験
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ヘリコバクター・ピロリ菌感染の程度を検査する指標として尿素呼気試験(UBT)が使用できるか、さらにL. reuteri ATCC 55730 含有タブレット摂取によるヘリコバクター・ピロリ菌の菌数抑制をUBT値で評価することを目的に試験を実施
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L. reuteri 摂取によりヘリコバクター・ピロリ菌感染者のUBT値が有意に減少
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L. reuteri はヘリコバクター・ピロリ菌の菌量を抑制
この試験は第一にヘリコバクター・ピロリ菌感染の程度を検査する指標として尿素呼気試験(UBT)が使用できるか、次にL. reuteri ATCC 55730 含有タブレット摂取によるヘリコバクター・ピロリ菌の菌数抑制をUBT値で評価することを目的に行った。第一の試験において、ヘリコバクター・ピロリ菌感染陽性者の成人33名の胃生検サンプルを上部消化管内視鏡検査により採取し、被験者個々のUBT値を測定した。
結果、生検中のヘリコバクター・ピロリ菌の菌量に応じて各被験者のUBT値が顕著に上昇していた。第二の検査では、40名のヘリコバクター・ピロリ菌感染しながら無症状の被験者に対してUBT値≥15%の被験者35名を無作為に3つのグループに分け、A群はL. reuteri 含有タブレットを4週間、その後プラセボを4週間摂取した。B群は比較の為、まずプラセボを4週間、その後L. reuteri 含有タブレットを4週間逆順に摂取した。
C群はプラセボのみを8週間摂取した。D群はヘリコバクター・ピロリ菌非感染者5名で構成し、L. reuteri 含有タブレットのみを8週間摂取した。L. reuteri を摂取したA群、B群においてUBT値が有意に減少した。
さらに、A群においては試験を終えるまでの8週間に渡って低いUBT値が維持された。L. reuteri 含有タブレットの摂取によるUBT値の全体的な減少率は、69.7 ±4.0% (p<0.05)だった。
結論
L. reuteri 摂取によりヘリコバクター・ピロリ菌感染者のUBT値が有意に減少した。さらにL. reuteri はヘリコバクター・ピロリ菌の菌量を抑制する働きをみせた。
■Reference